Towerld Level 0004: 狂気の組曲、そして魔性の幻覚症状

内容紹介

「キミは、囮（おとり）なんかには勿体（もったい）無いよ。囮になる暇があれば、あたしと付き合ってよね」

Hector_1304とウェンディは、「続きの間（ま）」に潜入し仲間のギディエンが必要とする薬品を入手して、麻薬王の支配下に置かれた『弦姫』様を安全圏へ救出しようとする。だが、郵便配達人達は獣頭兵団の仕掛けた罠に嵌（は）まり、会食室にて包囲され、それまでの敵とは格が違う暴漢達の標的と化してしまう。心理戦でも肉弾戦でも圧倒されるばかりのHector_1304は、囮にすら値せずに徹底的に嬲（なぶ）られるしか無いのか？ウェンディはその素早さを活かして逃げ果（おお）せられるのか？頼りになる大男ギディエン無しで、彼等はその窮地に対処できるのか？手を伸ばして攫（つか）まなければ、勝機は訪れない。

怒濤の如く押し寄せる戦局の変化を前に、引き裂かれた郵便配達人達は何を見るのか？狂気と絶望に呑み込まれて自我や存在その物が否定されるHector_1304を待ち受けるのは、Towerldでは体験できない筈の未知と魔性の世界。

（本書は、The BBBのために書き下ろされたオリジナル作品です）